【英国のなかのロシア】すべての窓がシャガールのステンドグラスで彩られたAll Saint’s Church

  • URLをコピーしました!

大好きなシャガールの作品を眺めることで癒され、心の洗濯をする毎日。シャガールのステンドグラスがある教会が、ここ英国にもあると知り、いてもたってもいられずやってきました。

自然豊かなケント州の美しいカントリーサイドにあるちいさな教会All Saint’s Church, Tudeleyh。実は世界で唯一、教会の窓すべてがシャガールのステンドグラスで彩られています。

△この近くのお屋敷Somerhillに住んでいたSir Henry and Lady d’Avigdor-Goldsmid夫妻が、21歳の若さでライ沖の海での事故で亡くなってしまった愛娘Sarahを追悼するために、この東側の窓のステンドグラス製作をシャガールに依頼しました。このTudeleyで生まれ育ったサラは、母と一緒に1961年にシャガールのステンドグラス作品の展覧会を見るためにパリを訪れました。このとき二人が見たのは、エルサレムの病院のシナゴーグのために作られたステンドグラスだったそうです。サラが不幸な事故で亡くなったのはその2年後のことでした。

△1967年にこの教会を訪れたシャガールは、この教会の素晴らしさに感銘を受けてすべての窓のステンドグラスを制作しましょうと申し出たのだそう。そして1974年から1985年の間にシャガールがデザインした残りの11枚のステンドグラスが設置されました。ステンドグラスのなかにはサラのイメージをたくさん見ることができます。

△1887年7月7日、ベラルーシのヴィテブスク(当時はロシア帝国)で、ユダヤ教の家庭に生まれたシャガールは、その後1912年から1985年までフランスで暮らし、画家として活動しました(そのうち7年間はアメリカに滞在)。ステンドグラスの制作を始めたのは、70歳になってからのことで、この教会のステンドグラスが完成した1985年に97歳で亡くなりました。

△ステンドグラスは聖書がテーマになっていて、北側の5枚の作品は「Creation」、サラのために作られた東側の祭壇のステンドグラスを中央にサイドに2枚ずつの計5枚は「Death and New Life」そしてこの青い作品と鮮やかにコントラストをなす南側の2枚は「Joy and Hope」

△VAVAと書かれているのは、シャガールの2人目の妻Valentinaの愛称です。

 

△マルク・シャガールというサインを見ることができます。

 

 

△西側の窓にはアダムとイヴ

△深いブルーに三日月が輝くのは夜でしょうか・・・

△夜のブルーのなかに天使や月やいろいろなものが見えてきます。

△“the birds in the sky, and the fish in the sea, ”

△教会の入り口がある南向きの大きな二つの窓は、喜びや希望をテーマにあたたかな金色になっています。金色の光に包まれたプールに浮かぶ天使・・・!

毎日9時から開いているこの教会ですが、アクセスは車がおすすめ。アクセスはやや不便なのですが、それでもぜひ訪れたい隠れた名所です。

All Saint’s Church, Tudeleyh

公式サイト:https://www.tudeley.org

PostCode: TN11 0NZ

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次