エニセイの朝焼け 1~クラスノヤルスクってどんなところ?~

2012-11-29

クラスノヤルスク民族舞踊団「エニセイの朝焼け」初来日!
「え!?日本は今、冬なのかい」
「これで寒いなんて笑っちゃうね!」
「マイナス40度じゃなきゃ冬じゃないのさ」
冬物コートに身を包む私たちを横目に
出番を待つダンサーたちは休憩中も元気いっぱい!
そんな舞踊団のみなさんの地元クラスノヤルスクってどんな場所なのか伺ってみました。
「私たちの舞踊団の名前にもなっている、大きく美しいエニセイ川で有名です。
新しい家も建設され、道路も作られて、街はどんどん大きくなり、昨年ついに百万人目の住民が生まれました。日本から見れば大した数字ではないかもしれませんが、百万人ですから充分に大都市と言っていいでしょう!
エニセイ川の両岸に沿っているので、大自然に恵まれた土地です。クラスノヤルスク・ストルビーというところは世界的に有名で、高くて様々な形の岩を見るために、世界中から観光客が訪れます。また、ロシアで最高とされているリュージュ(そり)のコースもあります。川だけでなく、美しい山にも囲まれています。Тайга́(タイガ)と呼ばれる針葉樹林帯でもありますよ。住民は、非常におもてなし精神にあふれ、お客さんが大好きなので、色々な名所に案内してくれます。結論として……非常にいい都市です!」
 
今回のプログラムにも
第1部には「シベリアの遊び」や「シベリアのジプシーの踊り」、
第2部には「大シベリアの踊り」「ピクニックでのエニセイ・コサック」
など、クラスノヤルスク民族舞踊団ならではの作品が満載!
広大なロシアのさまざまな地方から
そこでしか見ることのできない文化芸術が日本へ……
「ロシア文化フェスティバルin JAPAN」の魅力のひとつですね!!

「ロシア文化フェスティバルblog」より

ドラマチック・ロシア in JapanⅡ

2012-11-03

ひきつづき、ロシア文化フェスティバルをより深くご堪能いただく本について
長塚英雄・日本組織委員会事務局長に伺います。
現在準備中だという新刊についても、一足早く教えていただきました!
いちのへ テーマはいつもどのようにお探しになるんですか。
長塚 ロシア漂流民・日露戦争ロシア兵墓地・ハリストス正教会建築物・帝政ロシア遣日使節・ロ日関係偉人史蹟など、これまで132個ものテーマを探究・紹介してきました。しかし、驚くべきことに、日本の中のロシアに関するテーマは無尽蔵とも思えるほど次から次へとでてきます。私は古書収集も趣味のひとつなのですが、ロシア文化フェスティバルのイベントで日本各地へ出張する際に立ち寄った地元の古本屋で、思いがけなく興味深いテーマに出会うこともあるんですよ。
「ドラマチック・ロシア in Japan Ⅱ」
(2012年刊行 生活ジャーナル社)
いちのへ 今年2012年には、またまた魅力的なテーマ満載の第2弾が刊行されましたね。
長塚 おかげさまでご好評をいただき、新たに24本のテーマが追究されることになりました。昨年の3・11大震災の直後、ロシアを含め各国救援隊が来日しました。日本のマスコミは一様に日ロ関係史上初の出来事として報じましたが、私はこれに違和感を覚えていました。関東大震災の際に全露国民的募金運動を行い救援船が日本に派遣されたにもかかわらず、日本当局が横浜港から追い返した経緯があったからです。このことから、今一度、当時のレーニン号事件に焦点を当てることの重要性を感じてテーマに選びました。また、現在こう着状態の日露両国関係の打開についても、大戦後1956年の日ソ国交回復の歴史的教訓を再検討すべき必要性を感じていました。当時、政府・政権党内情勢の不安定にもかかわらず、調印に踏み切らせた要因の一つには、民間のさまざまなバックアップがあったのです。そこで国交回復の舞台裏で活躍した人々についても取り上げることにしました。
いちのへ 「ロシア文化フェスティバル in Japan」とこの「ドラマチック・ロシア」シリーズ本が相乗効果をなして、過去から現在、そして未来へとつづく日本とロシアの交流を深化させているのですね。ほかにはどんなテーマがあるのでしょうか。
長塚 文化テーマでは、長崎のロシア人と島尾敏雄や、トルストイと昭和女子大学の関係、日本最初の遣魯伝習生である市川文吉、女優松井須磨子のウラジオストク公演、ボリショイサーカスと日本の半世紀の歴史など。ほかにも社会テーマでは、ニコライ堂・ボドウォーリエ教会の法的経緯について、外交テーマでは、はじめて一般に公にされるもうひとつの領土紛争?帝政ロシア長崎領事館問題や、ロシア外務省に勤務した日本人についてなど。すべての原稿に新しい発見があるはずですよ。
いちのへ 第3弾も期待できますね!
長塚 序文を書いてくださった河東哲夫先生が“若い世代へ向けた新しいシリーズの始まり”と紹介してくださいましたが、今後も執筆者の輪を広げながら継続した続編の企画をすすめていきたいと考えています。第三弾では、「日露の群像」ー日本とロシアの文化・相互理解に尽くした日本人とロシア人に焦点をあててまとめる予定です。両国関係史に登場するニコライ大主教、幕府・政府の最初の露語通訳・志賀浦太郎、イコン画家・山下りん、日本研究家・スパリヴィン、エリセーエフやネフスキー、岡田嘉子など幕末から明治・大正・昭和に生きてきた故人30氏の人物論を準備しています。二葉亭四迷や榎本武揚といった皆さんが文学史や日本史の教科書で名前を知っているような有名人だけでなく、多大な貢献をしているにもかかわらずこれまであまり取り上げられることの少なかった人々も発掘していきます。
いちのへ ソチ五輪が開催される2014年春に刊行予定とのこと、日本とロシアの間に、また新しい1ページが刻まれる日が今から待ち遠しいです!今日はありがとうございました。

「ロシア文化フェスティバルblog」より

ドラマチック・ロシア in Japan 文化と史跡の探訪

2012-10-29

深まる秋は、深める読書はいかがでしょうか?
ロシア文化フェスティバルをさらに深くご堪能いただける本について、
長塚英雄・日本組織委員会事務局長にお話を伺ってみました。
いちのへ そもそもこの本が誕生するきっかけはなんだったのでしょうか。
長塚 私は両親がサハリンのドリンスクに居住し兄姉がサハリンで生まれたという経緯もあり、1970年から日ロ交流史を追い続けてきました。2000年に「日本のなかのロシア研究会」を主宰し、2001年~2007年にかけて「日本のなかのロシア」をテーマとして、各地の郷土史研究家のお力をお借りして、四冊の『日本のなかのロシア』を東洋書店から発行していました。このシリーズを土台に18の興味深いテーマについて、日露の18人の先生方に寄稿していただこうと企画したのが、「ドラマチック・ロシア in Japan 文化と史跡の探訪」です。
「ドラマチック・ロシア in Japan 文化と史跡の探訪」
(2010年刊行 生活ジャーナル社)
いちのへ 一番の見どころはどこにあるでしょうか。
長塚 やはり、知られざるドラマチックな交流にあるでしょう。たとえば、あの野口英世が、黄熱病研究のためのアフリカ渡航前に、ロシア人彫刻家カニョンコフに銅像を制作してもらったことはご存知でしたか?その妻のカニョンコワ夫人が、かつてアインシュタイン博士や歌手シャリャアピン、ピアニストのラフマニノフをも魅了したソ連のスパイだったことは?たとえば、あの帝国ホテルに先駆的なパンづくりを伝えたのが、ロマノフ王朝時代に宮廷で働いていたサゴヤンだということは?こんなふうに、それぞれのテーマには、深くドラマチックなストーリーが眠っているのです。
いちのへ “ロシア”というテーマで見つめてみると、日本列島が、そしていつも私たちが生活している場所が、また新しい魅力を持ちはじめるのですね。ほかにはどんなテーマがあるのでしょうか。
長塚 第一章は、沖縄・宮古島研究の先駆者となったロシア人ニコライ・ネフスキーについてなど「学術面から見た日本の中のロシア」。第二章は、関東大震災とロシアなど「社会面から見た日本の中のロシア」。第三章は、日本を“心の故郷”としていたトルストイの令嬢アレクサンドラについてなど「文学・芸術の中のロシア」。そして第四章は、黒船来航よりも114年も前の江戸時代中期に根組ノ浜に出現したロシア探検船についてや、1856年にロシア皇帝より江戸幕府に贈られたディアナ号大砲のその後の行方など「江戸・明治・大正時代の日ロ交流から」という構成になっています。
いちのへ 初めて知ることばかりです!
長塚 そうでしょう。学会レベルでも初めての論究もありますよ。巻末付録として日本におけるロシアン・ワールドをカラー写真で明記した日本地図があります。日本とロシアの交流の歴史はわずかに300年たらずであるにもかかわらず、日本列島に百数十か所も存在するロシアン・ワールド=文化と交流の史蹟をご覧いただけます。江戸後期からの、とくに明治・大正期からの日露関係、それも文化分野における足跡は、本当に日本のあちらこちらに刻まれています。これをみると、文明が南から北へ伝播してきたという偏見が打ち破られ、また、ロシア文化がいかに日本に強い影響を与えてきたかが浮き彫りになるでしょう。」