古事記 天と地といのちの架け橋

2015-12-15

 レオニード・アニシモフ氏が芸術監督を務める東京ノーヴィ・レパートリーシアターが能楽堂で『古事記 天と地といのちの架け橋』を上演しました。

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〜俳優と観客は、樹木のように成長し、時代の森をつくる。21世紀を芸術と文化の時代にするために、200年後の未来のために、今演劇という私たちの仕事でできることは、“時代の森“をつくること。〜魂の糧となる演劇の創造を目的に、ロシア功労芸術家レオニード・アニシモフ氏を芸術監督に迎えて、質の高いロシア式の演劇スタイルを日本で確立してきた東京ノーヴィ・レパートリーシアター。本格的なスタニスラフスキー・システムに基づいてリアリズム演劇を実践し、ロシアでは一般的なレパートリーシステム(ひとつの演目をさまざまな劇場で一定期間上演する、日本やアメリカなどで一般的なロングラン・システムに対し、劇場専属の劇団が、毎日レパートリーのなかから演目を変えて上演するスタイル)を取り入れています。

「今回の作品は、文化の融合・結合です。ロシア文化フェスティバル IN JAPANのような機会では、文化の融合が重要であり、自分の周りでは“メタ文化“と呼んでいます。本日の観客の反応を見ると、そのような深い文化の融合、すなわち、ロシア文化と古事記の深いレベルの融合が感じられました。」

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〜わたしたちは どこから来て、何を目指すのか?日本人の心のルーツである物語・古事記。その太古から口づてに伝承された神話を いま、生きた感情で、現代の<儀式>としてよみがえらせます〜

練られた複雑なストーリーを追ったり音楽や美術などのめくるめくエンターテイメントに驚嘆したり・・・といった舞台とは違い、無心でただ五感で感じるような不思議なひとときでした。役者たちがそれぞれ演じるのは、八百万の神々なので、舞台上で微笑む神様たちと対峙して空間に酔うような、それはまさに神社仏閣で祈祷をうけているような感覚を覚えました。

 

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「この作品は、2011年11月11日のドストエフスキーの生誕を祝った日の後に、仲間たちと話しているなかで『古事記』の名前がたまたま出たところから話が始まりました。その後2年間、多くの翻訳を読むなど研究して、そして2年間の稽古を重ねました。その結果、我々の東京ノーヴィ・レパートリーシアターの俳優は勇敢になり、人間らしくなりました。」

 豊かな土壌で育まれた樹木がその枝葉を伸ばして森が拡大していくように、海外からの研究者の受け入れや芸術家育成のためのアカデミー運営、国際文化交流にも積極的に取り組み、古典に挑む東京ノーヴィ・レパートリーシアターは、今後『源氏物語』にも挑戦するそうです。毎日の生活の中で自然と目に耳に入り通り過ぎていく種類の文化・芸術とは違い、古典作品は私たちの身体の奥深くに眠っている誰もが魂を揺さぶられる何かを秘めています。それは手を伸ばさなければ、出逢うことは出来ません。ロシア文化フェスティバルで上演される素晴らしいプログラムを通して、そういう体験を繰り返して生きていきたいものです。