【今日のロシア】三井記念美術館『デミタスコスモス』特別展

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日帰りで母が上京したので、念願だった特別展、三井記念美術館で開催中の『デミタスコスモス〜宝石のきらめき☆カップ&ソーサー〜』を観てまいりました。

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昭和42年の結婚当初、お互いに好きだったコーヒーにちなみ、共通の趣味としてデミタスを集めてみようと考えたのがきっかけで、約40年という長い年月をかけて収集された鈴木康裕・登美子ご夫妻のコレクション。企業のサラリーマンであった康裕氏の月給から、1ヶ月に1点ずつデミタスを購入してゆき、現在では総数500点を超えるコレクションに成長したのだそうです。

18~20世紀初頭のセーヴルやマイセン、KPMベルリン、ミントン、ロイヤルウースター、ロイヤルクラウンダービー、コールポートなど、ヨーロッパの名窯で作られた作品を中心に約300点が展示されていましたが、そのなかには、ロシアの“クズネツォワ工房”と“コルニロフ・ブラザーズ”のデミタスカップも出展されていました。

展覧会の紹介文より

☆クズネツォワ工房は、1832年にウラジミル近郊のドゥレヴォに設立され、国内に18の工場を持ち、海外に輸出するまでに成長。

☆“コルニロフ・ブラザーズ”は、1835年にV.Mコルニロフによってペテルブルグに設立され、1839年に4人の息子たちであるミハイル、ピョートル、イヴァン、ヴァシリーの所有となって、1886年から“コルニロフ・ブラザーズ”と名乗るようになり、1918年まで作られていたそうです。

☆ほかにも、ロシアンエナメルのデミタスが2点。七宝植物文カップ&ソーサーと七宝プリッカジュール植物文カップ&ソーサーは、それぞれ帝政ロシア時代の七宝だそう。

ロシアで陶磁器といえば、ロシア初にして皇帝御用達だったロモノーソフ(現在のインペリアル・ポーセリン)。ヨーロッパでもマイセン、ロイヤル・コペンハーゲン、ジノリについで4番目に古い歴史ある窯です。今回展示されていたものは、どれも初めて聞くものでしたので、改めてロシアのデミタスカップについて、調べてみたいです。

 

 

 

鈴木ご夫婦の愛がこもったエピソードに、デミタスカップの愛らしさ、そしてそこに見たこともないような無限の世界が広がっていて・・・こんなカップを選ばれるなんて海外に駐在なさっていたのかしら?どんな風にお宅に飾っていたのかしら?購入したらこのカップでまずは1杯、美味しい珈琲を楽しまれたのかしら?ロシアのカップはご旅行の際に記念に購入されたのかしら?ひとつひとつ思い出しては、東京駅のステーションホテルのラウンジでお茶をしながら、新幹線の時間まで母と語り合いました。

ヨーロッパの名窯の、日本や東洋に影響を受けた作品のコレクションもさることながら、日本の釜の海外輸出用のデミタスカップコレクションも素晴らしく、作者不詳のものなどは骨董市などで発掘なさったのでしょうか・・・とにかく日本で暮らしていて、このようなデミタスカップを目にする機会があるのだろうかと信じられないようなものばかり。想像が膨らみ、頭のなかがデミタスコスモスになっています。

 

 

 

 

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