【エキゾチック!カザン】『カザンの聖母』を訪ねて

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ロシア・タタルスタン共和国の首都カザンへ。シェレメチェボ空港から飛行機で1時間半弱、カザン駅( Казанский вокзал)から列車も出ています。まずはクレムリン(Казанский кремль)へ!スパスカヤ塔(Спасская башня)から入場します。

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△赤い城塞モスクワ・クレムリンも世界遺産ですが、実は白い城塞カザン・クレムリンもユネスコ世界遺産に認定されています。ここに城塞が築かれたのはおよそ11世紀初め。15~16世紀にはイスラム王朝カザン・ハン国の首都として繁栄しましたが、その後イワン雷帝の侵攻によって破壊されてしまいます。

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△クレムリンを入るとすぐに、ヨーロッパ最大級のイスラム寺院として知られるクル=シャーリフ・モスク(Мечеть Кул-Шариф)が見えてきました。イワン雷帝による侵攻で破壊されてしまいましたが、2005年に元の場所に、元の形に、忠実に再建されました。イスラムの香り漂うタタールスタン共和国の象徴ともいうべき建物です。

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△この四角い模様の角が方角を指し示していて、コーランが流れたときのお祈りにも使われるそうです。

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△イスラム文化博物館では、ちょうど«Лев Толстой и исламский мир»(レフ・トルストイとイスラムの世界)という興味深い展示をしていました。ヤースナヤ・パリャーナで生まれ、その生涯を閉じる日まで愛する故郷で暮らしたことはよく知られていますが、実はここカザンの大学で学んでいました。(カザン大学ではレーニンも学んでおり、大学には若き日のレーニン像もあるそうです。)

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△こちらは若き日のトルストイ青年です・・・!学芸員の方のお話では、カザンの病院で僧侶に出逢い仏教に興味を持ったり、インドのヒンドゥー教に関心を持ちガンジーと交流したり、中国の老子が説いた道教を学んだり・・・ロシア正教やイスラム教以外にもトルストイがその人生において広く世界の宗教を大きなテーマのひとつとして探求していたことが伺えます。

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この白いクレムリンのなかには、なんと美しいイスラムのモスクとロシア正教の聖堂が並んで建っているのが特徴です。タタルスタンはイスラム教を信仰するタタール人と、ロシア正教を信仰するロシア人が暮らしているのです。

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△タタール民族衣装の男性がロシア民族衣装の男性の肩に手を置いて、同じ方向を見据えている銅像!今回は行くことが出来ませんでしたが、カザン市内には『全宗教の寺(Храм всех религий)』と名付けられたあらゆる宗教の特徴が混在するユニークな建築物もあるそうです。

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△Музей Пушечного двора

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△お土産屋さんも独特です!

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△ここだけ赤レンガ造りのスユンビケ塔(Башня Сююмбике)。スユンビケというのは、イワン雷帝の求婚を拒みここから身を投げたという伝説のあるカザン・ハン国の美しい最後の王妃の名前だそう。イワン雷帝の侵攻のときにも、この建物だけは奇跡的に残ったといわれています。街灯と比べて、少し傾いているのがお分かり頂けるでしょうか・・・!

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△黄金に輝く鐘楼と玉ねぎ型の青い屋根が美しい生神女福音大聖堂(Благовещенский собор)のなかも見学。

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△クレムリンのなかの展示場(МАНЕЖ)では、ちょうど日露交流年の枠内で、『タタルスタン共和国における日本文化の日』も開催されており、ウラジミル・ポポフさんの日本をテーマにしたカリグラフィー作品をはじめ日本とタタルスタン共和国のアーティストの素晴らしい競演を堪能しました。クレムリンのなかにはほかにも、大統領官邸やタタルスタンをさらに深くを知ることができるさまざまな美術館、カフェなどもあります。

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△クレムリンは丘の上に建っているので、展望スポットからはカザンの街を一望することが出来ます。

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△ユニバーシアードや昨年2018年サッカーのワールドカップが開催されたスタジアムも見えました。日本代表のベースキャンプ地もこのカザンの街でしたね!モスクワの日本人学校の生徒たちが手作りの横断幕を持って応援に訪れました。

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△現在、『カザンの聖母』のイコンのための新しい教会が建設中だそうです。

さて、その『カザンの聖母』のイコンに対面するため、クレムリンからカザンの生神女修道院へ移動します。

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△ロシアを守護する最も大切なイコンのひとつとして崇められている『カザンの聖母』。幼い少女マトリョーナの夢に生神女マリヤが現れて、大火事の後に地下にあるイコンの場所を教えたというエピソードが伝えられています。まさにその場所にカザンの生神女修道院が建てられ、少女は修道女となったそうです。しかし1904年に、この修道院から何ものかによってイコンが盗まれてしまいます。今も行方不明のこのイコンがあった場所には複製が飾られています。しかし人々の心のよりどころであることに違いはなく、ちょうどこのイコンの祭日(7月21日と11月4日)の前日で、多くの人が訪れ、このイコンにキスをして祈りを捧げていました。

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モスクワとサンクト・ペテルブルクのカザン聖堂は、この「カザンの聖母」のイコンのために献堂されているそうです。

☆カザン・クレムリン http://kazan-kremlin.ru

 

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